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関連図書リスト

書籍名著者名出版社サイズ金額(税別)出版年
高齢社会 ―どう変わる,どう生きる― 二塚 信/嵯峨 忠 九州大学出版会 A5 340頁 \3.200 2003年
公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン大庭 浩(編)交通エコロジー・モビリティ財団 A4 153頁 \2,500 2001年
バリアフリー歩行空間ネットワーク形成の手引き(財)国土技術研究センター(編) 株式会社 大成出版社 B5 234頁 \4,000 2001年
住民参加のみちづくり秋山哲男・足立万里子・大島明・林隆史・本田恵子・山田稔・吉川洋介(著)学芸出版社 A5 222頁 \2,400 2001年
グループホーム読本 痴呆性高齢者ケアの切り札外山義・編著ミネルヴァ書房B5200頁\2,5002000年
少子高齢社会における福祉の町づくり一番ヶ瀬康子・著かもがわ出版A564頁\5712000年
安全快適な高齢者配慮住宅古瀬敏,田中真二・著オーム社B5141頁\1,8002000年
在宅ケアハンドブック 老後のマイルーム相良二朗・著家の光協会26cm96頁\1,6001999年
リハビリテーション医学全書 切断と義肢4版澤村誠志・著医歯薬出版A5584頁\6,7001999年
図解バリア・フリー百科日比野正己・編著TBSブリタニカA4232頁\2,8501999年
サイン環境のユニバーサルデザイン 計画・設計のための108の視点田中直人,岩田三千子・著学芸出版社B5136頁\2,8001999年
高校生が考えた「居住福祉」早川和男,一番ケ瀬康子・他共著クリエイツかもがわ四六判88頁\7001999年
応用人間工学の視点に基づくユーザインターフェースデザインの実践山岡俊樹,岡田明・著海文堂A5194頁\2,5001999年
人間福祉の発展をめざして西三郎・編,古瀬敏分担執筆勁草書房B6260頁\2,6001999年
楽楽街遊事始タウンモビリティことはじめ中国・地域づくり交流会タウンモビリティ楽会・編中国・地域づくり交流会タウンモビリティ楽会A4160頁\1,5001999年
タウンモビリティと賑わいまちづくり 高齢社会のバリアフリーショッピングタウンモビリティ推進研究会・著A5L208頁\2,3001999年
はじめて学ぶ建築製図佐久間博,佐藤昌,中田清兵衛,成瀬昌弘,星野政博,松本亜矢,矢吹茂郎,渡部桃子,共著日本建築士会連合会A4110頁\2,5001999年
「都市デザインの手法-魅力あるまちづくりへの展開:改訂版」鳴海邦碩,田端修,榊原和彦・編学芸出版社B5W175頁\3,0001998年
シリーズ福祉に生きる7渡辺千恵子 日比野正己・著,一番ケ瀬康子・編大空社19cm171頁\2,0001998年
超高齢社会の福祉工学(下巻)福祉機器と適正環境徳田哲男,児玉桂子・編中央法規出版B5296頁\4,0001998年
健康長寿を支える高齢者検診と保健活動笹森典雄・他編ライフ・サイエンス・センターB5359頁\6,8001998年
超高齢社会の福祉工学(上巻) 高齢者居住環境の評価と計画児玉桂子・編中央法規出版B5273頁\4,0001998年
デザインの未来 環境・製品・情報のユニバーサルデザイン古瀬敏・著都市文化社A5246頁\2,5001998年
ユニバーサルデザインとは何か バリアフリーを超えて古瀬敏・著都市文化社B6226頁\2,0001998年
高齢社会住宅設計モデル集 健康に・美しく・住み続ける高齢社会住宅設計研究会・編集新日本法規出版A4207頁\8,0001998年
「都市・公共土木のCGプレゼンテーション-デザイン・コミュニケーションと合意形成のメディア」 榊原和彦・編著, 小谷通泰,土橋正彦,山中英生,吉川耕司・著学芸出版社 B5W175頁 \3,5001997年
ヨーロッパのインフラストラクチャーヨーロッパのインフラストラクチャー編集委員会・編,堤昌文分担執筆 土木学会24cm 423頁\5,5001997年
ハートビル・マニュアル トイレ編 第1集ハートトイレ研究会・著 人にやさしい建築・住宅推進協議会 A4 114頁 \3,000 1997年
タウンモビリティのすすめ中国・地域づくり交流会タウンモビリティ楽会・編中国・地域づくり交流会タウンモビリティ楽会A416頁\1001997年
バリアフリーの時代古瀬敏・著都市文化社B6214頁\1,8001997年
「日本の都市環境デザイン'85〜'95」 都市環境デザイン会議・編学芸出版社A4W159頁\4,3261996年
バリアフリーチェックリスト 米国における建築物のアクセシビリティに関する最低基準八藤後猛,曽根原純・著筒井書房30cm119頁1996年
福祉のまちづくりデザイン 阪神大震災からの検証田中直人・著 学芸出版社A5207頁\2,4721996年
ゆらぎの科学6武者利光編,堤昌文・他共著森北出版四六判196頁\2,0601996年
使いやすさの発見人間生活工学研究センター・編、徳田哲男・著通産資料調査会四六判320頁\2,5001996年
人間科学計測ハンドブック日本生理人類学会計測研究部会・編、岡田明分担執筆技報堂出版A5631頁\15,4501996年
高齢者・障害者に配慮した建築設計マニュアル 福祉のまちづくり実現に向けて高橋儀平・著彰国社A4216頁\4,8001996年
高齢社会の技術(第一巻) 高齢社会の適正技術熊谷公明,藤井直人,徳田哲男,秋山哲男・編日本評論社A5199頁\2,4001996年
バリア・フル・ニッポン 障害を持つアクセス専門家が見たまちづくり川内美彦・著現代書館A5220頁\2,0001996年
先端のバリアフリー環境 カリフォルニアにみるまちづくり小川信子,野村みどり,阿部洋子,川内美彦・共編中央法規出版A5272頁\2,8001996年
「これからの安全都市づくり」 日本都市計画学会関西支部震災復興都市づくり特別委員会・編著B5W158頁\3,5021995年
図解バリアフリーの建築設計 第二版 福祉社会の設計マニュアル荒木兵一郎,藤本尚久,田中直人・著彰国社A4106頁\2,8001995年
福祉労働69号 阪神・淡路大震災と福祉のまちづくり再考尾上浩二,金守良,福永年久,稲葉通太,横須賀俊司,秋山哲男,高橋儀平,三星昭宏,大賀重太郎・共著現代書館A5164頁\1,2001995年
GUIデザイン・ガイドブック日本人間工学会アーゴデザイン部会スクリーンデザイン研究会・編,岡田明分担執筆海文堂B5260頁\2,9001995年
高齢社会の技術(第三巻) 生活の技術徳田哲男・編日本評論社A5213頁\2,4001995年
人にやさしい住まいづくり 長寿社会対応住宅の手引き古瀬敏・著都市文化社A5136頁\1,2001995年

書評

【研究会誌 Vol.2 No.2】 書評
「老いはこうしてつくられる-こころとからだの加齢変化」 正高信男

B5、191貢、中央公論新社 660円+税

 この本の題名「老いはこうしてつくられる」につられて本を書架から取りだした。その書評には「またげると思ったバーが超えられない。痛みを表現する適当な言葉が見つからない。このようなとき、人は老いを自覚する。しかし同じ年齢でも気力の充実した人もいれば、見るからに老いを感じさせる人もいる。このような個人差はなぜ出てくるのだろうか。本書は、からだの老化がいかにしてこころの老いを導くのかを独創的発想による実験で具体的に考察しながら、人々がからだの老いを受容し、こころの老いを防ぐ方法を展望する。」とあった。リハビリテーション工学の立場から、「独創的発想による実験」と「老いの個人差」に着目し、自分の仕事に活用できるのではないか?と期待し、そして自分にも間もなくやってくる「老い」に対して、「心の老いを防ぐ方法」にありつけそうだと思って読みました。老化による筋力の衰えに付いては、人間工学から広く知られていることであるが、「痛み」を表現することに対して、「チクチク」「ビリビリ」「ズキズキ」「ガンガン」のような擬音語・擬態語による痛みの程度を正確に表現できなくなる。筆者は、声帯や口周りの筋肉が衰えることにより、発音の緊張度に差が無くなってしまい、体の緊張度も同様になると指摘している。しかし、説明的な表現「針でつつくような」「ヤリで突き通すような」を使用すると若者と同様な痛みの程度を示すことができている。そして「ひらがな」と「漢字」から意味を理解する実験では、「ひらがな」の場合高齢者は時間がかかってしまう。なぜでしょうか?高齢者を理解すること、またあらゆる角度から考察するために工夫された実験で検証する態度は参考になると思います。

(藤井直人)


【研究会誌 Vol.2 No.1】 書評
「アミダ仏の源流をたずねて」 向坊弘道著

A5、202貢、樹心社 1,800円+税

 筆者の向坊氏は東京大学文学部1年の時、1959年8月に交通事故により頸髄の4,5番を損傷し、四肢麻痺になり車いすの生活を続けている。また障害者になってから仏教に関心を持ち、仏教について研究を深めている。また実業家でもあり、事業の方でもビルのオーナーとして成功している。
一方、福祉活動では、フィリピンに「日本人障害者の家」とネパールに「仏教ペンション」を設立し、NPO組織を作り現地スタッフに運営を任している。
今回紹介する本は、向坊氏がフィリピンから電動車いすと手動車いすに乗って、女性ヘルパー1名と100日間をかけて、タイ、シンガポール、カンボジア、インド、ネパールと仏陀の6大聖地を訪問している。ただし、いずれの地もバリアー・フルであり、例えば、タイのバンコクから空港へは、トラックを借りて、その荷台にヘルパーと電動車いすごと乗り込み、現地の警察に見つからないように裏通りを利用している。またスリランカでは、自動三輪のオートリクシャーの荷台に電動車いすごと乗り込んでいる。写真を見るとフットレストが荷台から飛び出ている。このような状態で10・を往復している。そして霊山へはカゴ担ぎ屋を雇って、1本の棒にハンモックをくくりつけて訪問している。敬虔な信者が行くところはどこへでも行くのである。
そして宿泊するホテルは現地の人が利用する安ホテルに投宿している。例えば、シンガポールでは、ホットシャワーがついて、エアコン、扇風機、テレビが付いたツインの部屋が4,000円と最低ランクのホテルに泊まっている。インドでは1泊1,500円の裏通りにあるホテルで、窓からは異臭が入ってくるような環境である。移動手段もやすい空港券を現地で手に入れるなどして、100日間で2人の旅行費を100万円に抑えた清貧旅行です。本からは重度障害者が旅をしているとは全く思えない痛快な内容です。

(藤井直人)


「サイン環境のユニバーサルデザイン」 田中直人・岩田三千子著

B5版 136項 学芸出版社(1999年8月)2,800円+税

 急激な高齢化の波を受けて、バリアフリーという言葉の認知度だ高まっているが、その発想をさらに進めて、高齢者や障害者への配慮だけではなく、あらゆる人を対象とした「ものづくり・まちづくり」である「ユニバーサルデザイン」という概念が近年日本でも広まっている。
本書では、複雑に高度化する都市環境において重要な役割を担っているサインに注目して、ユニバーサルデザインとは何かという問題を提起している。本書で取り上げているサインとは、案内標識や看板だけではなく、生活環境における全般的な事物を対象として考えている。
著者の言葉を拝借すると、ユニバーサルデザインと唱われているものの中には、「バリアフリーデザイン」そのものの実態や内容、課題などを十分に検討することなく、表面的に「ユニバーサルデザイン」の名称に置き換えた取り組みが少なくないのが現状である。
あらゆる人に共通して使いやすいデザインというのは容易なことではなく、具体的な回答が存在している訳ではないが、本書で挙げられている数々の取り組みは、ユニバーサルデザインを計画する際の選択肢の一つして役立つだろう。 本書では、サイン環境を見直し、将来のあるべき姿を示すため、108の視点から計画・設計のためのアドバイスがなされている。前半では、サインの概念から始まり、生理特性別のサイン環境のあり方、著者から起こった調査・実験の結果等を交えながらサイン環境計画に関する基礎的知見を提示している。後半では、国内外の事例を紹介しながら、ユニバーサルデザインのサイン計画を実現させるための手がかりを示している。全般的に、写真やイラストを多用した構成となっており、理解しやすい書となっている。

(前川佳史)


【研究会誌 Vol.1 No.2】 書評
「図解バリアフリー百科」 日比野正己著

A4変形版、232貢、TBSブリタニカ 2,850円+税

 快著である。何故なら、バリアフリーと聞くと、高齢者や障害を持つ人びとの生活環境を論ずることになるから、どうしてもシリアスな内容になってしまうのだが、本書は単なる理解をさせることを超えて、楽しい読み物にしてしまったのだから。
さらに、本書の特徴は、著者日比野さん独自の構成とその読みやすさにある。全体を、福祉・医療・情報・看護などの融合をねらった「バリアフリー考現学」、自由・自在に活用できるマニュアルとしての「バリアフリーデザイン術」、HM(ご自身のことを指す)教授法と称する「バリアフリー発想法」の3部構成とし、全体を100項目に分けて図解入りの分かりやすい読み物にしている。また、著者自らこの本の特徴を、「バリアフリーの全体像をまとめたこと」「さまざまな分野のバリアフリー現象の事例をまとめたこと」「物のバリアフリーから心のバリアフリーまで対象にしたこと」「バリアフリーデザインのポイントを実用的なシステム表と写真入りで紹介したこと」「バリアフリーデザインの図版を豊富に収録したこと」「工学系から福祉・医療に至るまでの発想豊かなデザイン教育法を初公開したこと」「美しいカラー刷りを多く使用したこと」「文献や資料リストを掲載したこと」「バリアフリー学の体系化を目指した理論構成をしたこと」「バリアフリーを楽しく応用編集できるスーパー見開きをしたこと」等々を挙げている。
著者日比野さんは、この方面の研究者のパイオニアの一人であり、私の旧くからの研究仲間であり、友人でもある。情報集積地の東京から遠く離れて、九州・長崎県で地道に地域活動を実践し、確実に成果を挙げている。バリアフリーをわかりやすく、広く理解できる意味で、多くのみなさんに読んでいただきたい。

(野村歓)


「バリアフリー社会の創造」 齊場三十四著

193頁 明石書店(1999年3月12日) 1,800円+税

 「うん、うん。」「そうなんだよなァー。」と頷いているうちに、ついつい引き込まれ、ふと気がつくと、夜の更けるのも忘れて、一気に読み終えていました。うん、うんと私が頷いた、その理由は、著者は、自ら「はじめに」において書いておられるように、「私は脳性麻痺であり、松葉杖障害者として50数年生きてきた」人であり、一方で、私は脊髄性小児麻痺による車イス障害者であることから、利用者としてバリアフリー環境を見つめる目線が、これは偶然なのですが、似通っていたためなのです。
 本書は、著者の言葉を拝借すれば、「利用者の視点を中心にすえて、バリアフリー化の現状を紹介・分析しながら、21世紀のバリアフリー社会の創造について若干の意見を述べ」たものです。
 私の読後感をずばりと言わせていただくと、よくぞ言って下さったの一語につきます。
 「社会生活へのアクセスを見聞きする時、バリアフリー化が進み便利になったとはいえ、車椅子での一人旅を考えると、余程決心し、挑戦的な意志でアプローチしなければ困難な気がして仕方がない。」、これ、同感です。「戦後50年間の福祉の歩みを見る限り、障害者はいつも恩恵の対象であって、主体者にはなり得ていないことを感じている…」、これもまた、同感です。「障害があろうとなかろうと、同じ空気を呼吸し、この世で共に生きる存在として認めて欲しい、との願いを実現するためにも、バリアフリーは大切である。」、これもまたまた、同感です。
 ところで一方、著者からは、「社会構成を考えると、現状のバリアフリー化も、これまでの視覚障害者や車椅子使用者への対応に限局する方向でなく、多種のハンディに対応したバリアフリー化を考えていかなければならない。」との指摘がなされています。私は、車イス障害者の一人として著者のこの指摘に耳を傾けたいと思います。

 (村田稔)