わが国の高齢化は予想を上回る速さで突き進んでおり、ハード、ソフトにわたる居住環境の整備が急務となっています。本格的な高齢社会は、少子社会でもあり、次代を担うすべての国民の生活に視点をおいた居住環境施策の展開が求められています。
一方では、今日の急激な社会の変動に多くの学問分野が後追い的な研究に終始しています。おそらく、これまでにない未曾有の高齢社会に直面し、多様な生活観、価値観が到来していることとも無縁ではないと思われます。
そこで、今まさにしっかりとした研究基盤を確立する必要があり、そのためにさまざまな専門分野が一同に結集し、問題の所在を確認し、その解決に向けた共同作業を展開する必要があると痛感しています。
本学会は、そのような主旨から法律学、社会福祉学、経済学、情報・通信工学、理学療法学、作業療法学、人間工学、リハビリテーション工学、医学、造園学、土木工学、建築学、都市計画学など市民の生活基盤づくりに関係するあらゆる分野の方々が結集し、市民生活の機会均等と生活の質の向上に向けた新たな「福祉のまちづくり」の枠組みづくり、研究開発に向けた取り組みを目指しています。
さまざまな分野の多様な経験と研究成果を土台に、今後の研究活動を進めてまいりたいと思います。
本主旨にご賛同いただき、多くの方々が福祉のまちづくりにご参加下さいますようお願い申しあげます。
平成9年7月11日
(設立日)
平成13年10月9日団体名称変更
日本福祉のまちづくり学会は、すべての人が安心して暮らすことのできる街、住まい、交通、くらしについて、法律や社会福祉などと工学などあらゆる分野が結集し、さまざまな「福祉のまちづくり」について研究・開発していくことを目指しています。
平成19年6月30日現在
会長
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橋儀平(東洋大学)
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副会長
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秋山哲男(首都大学東京)、古瀬敏(静岡文化芸術大学)、
新田保次(大阪大学)、藤井直人(神奈川県総合リハビリテーションセンター)
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理事
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小山聡子(日本女子大学)、鎌田 実(東京大学)、 北川博巳(兵庫県立福祉のまちづくり研究所)、川内美彦(東洋大学)
三星昭宏(近畿大学)、八藤後猛(日本大学)
*尚、理事会には各支部長の出席を求める
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幹事
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阿部祥子(佛教大学)、磯部友彦(中部大学)、今田寛典(広島文化学園大学)、
今西正義(DPI日本会議)、大森宣暁(東京大学)、岡田 明(大阪市立大学)、
男鹿芳則(世田谷区役所)、糟谷佐紀(神戸学院大学)、狩野徹(岩手県立大学)、
佐藤克志(日本女子大学)、相良二朗(神戸芸術工科大学)、鈴木克典(北星学園大学)、
高井広行(近畿大学)、竹島恵子(交通エコモ財団)、竜口隆三(西日本工業大学)、
田中直人(摂南大学)、土橋喜人(JICA:国際協力機構)、中野泰志(慶應義塾大学)、
永元真也(アルメック)、野口祐子(聖学院大学)、長谷川万由美(宇都宮大学)、
林豊彦(新潟大学)、林 隆史(国土技術研究センター)、
阪東美智子(国立保健医療科学院)、原利明(鹿島)、
原文宏(北海道開発技術研究センター)、森崎康宣(連空間設計)、山田稔(茨城大学)
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監事
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黒嵜隆(フロンティア法律事務所)、沢田大輔(交通エコモ財団)
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名誉会員
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一番ヶ瀬康子、澤村誠志、野村歡
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事務局長
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小山聡子(日本女子大学)
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委員長
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学術研究委員会 磯部友彦(中部大学)
1)「法制度」特別研究委員会
永元真也(アルメック)
2)「福祉交通サービス」特別研究委員会
藤井直人(神奈川県総合リハビリテーションセンター)
3)「情報障害」特別研究委員会
中野泰志(慶應義塾大学)
4)「子育ち・子育てまちづくり」特別研究委員会
長谷川万由美(宇都宮大学)
5)「観光まちづくり」特別研究委員会
秋山哲男(首都大学東京)
会誌委員会 八藤後猛(日本大学)
論文委員会 岡田 明(大阪市立大学)
総務委員会 川内美彦(東洋大学)
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支部長
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北海道支部 鈴木克典(北星学園大学)
東北支部 狩野 徹(支部長代行:岩手県立大学)
関西支部 新田保次(大阪大学)
東海支部 磯部友彦(中部大学)
中国四国支部 今田寛典(広島文化学園大学)
九州支部 齋場三十四(国際医療福祉大学)
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平成21年6月27日現在
- 正会員(個人)年5,000円
- 学生会員 年3,000円
- 法人会員 年10,000円(1口)原則として3口以上とする。
- 賛助会員 年20,000円(1口)
※入会金は2,000円です。
医学分野
- 社会で健常者と同じような生活をするためのリハビリテーションセンターの整備。
- 障害者に適した住宅環境をはじめ、職場環境、都市環境の整備。
看護・保健学
- 安心して地域で住み続けることができるための保健・福祉・医療の連携
- まちづくりという視点にたった取組み。
機械工学分野
- 車両・機器などで、全ての人が使いやすい機器づくり。
- 高齢者や障害者の行動特性・身体特性に配慮した研究開発
経済学分野
- 高齢者・障害者の社会参加を支える都市基盤の整備、福祉・介護・医療・交通サービス等のコストの負担。
- 国民の合意形成の考え方など。
建築学分野
- 福祉のまちづくりに関する調査研究・技術開発。
- 国および自治体の福祉のまちづくり計画、条例、技術水準づくり。
市民・障害者団体
- 当事者としての障害者・高齢者の参加、ニーズ調査。
- 専門識者と対等な立場での発言、行動および研究、政策提言など。
社会学分野
- 全ての市民が物心両面で、生活しやすい環境を構築するための社会システムを整備。
- ボランティア活動を含めた市民啓発等。
社会福祉学分野
- 障害者・高齢者が安心して暮らし、社会と積極的な関わりを持ちながら充実した生活が送れる社会システムの構築。
- 地域社会における「当たり前の生活」を支援する自立生活支援モデル。
情報・通信工学
- 高度情報化社会における情報の利用しやすさの開発。
- サインやアナウンスなど街の中における情報へのアクセス。
- 機械器具等の操作性の研究。
造園学分野
- 公園・緑地・遊び場など屋外のオープンスペースの計画や設計。
- 造園分野におけるアメニティー重視の計画・設計。
土木工学分野
- 道路、公共交通機関、港湾や空港などで、すべての人が使いやすい施設づくり。
- 高齢者・障害者の行動特性分析や理論構築、技術開発。
- 他分野の成果も融合した政策論、計画論、整備論の展開。
人間工学分野
- ヒトの特性とモノの性能とのギャップの解消。
- 高齢者や障害者の身体機能特性に配慮した研究活動。
- ヒトをはかる研究や看護・介護作業の研究。
法律学分野
- ノーマライゼーションの思想と法的体系。
- 高齢者・障害者が移動する権利、生存や生活の権利など。
理学療法学・作業療法学分野
- 住み慣れたところで、そこに住む人々とともに一生安全に生き生きとした生活を送るためにリハビリテーションの視点から福祉のまちづくりを積極的に展開。
リハビリテーション工学分野
- 工学技術を応用し、障害者の機能を補完する機器の開発、支援活動。
- 障害者と機器と社会環境との調和と一般人との共用も考慮した福祉のまちづくり。