イベント情報

日本福祉のまちづくり学会 第9回全国大会

− 海・島・斜面地を抱えた地域の福祉のまちづくり −

第9回全国大会実行委員長 今田寛典(呉大学社会情報学部/大学院・教授)

趣旨:高齢化率が、全国平均の19.5%(2004年10月総務省推計)を大きく超えている地域は多い。特に、中山間地や島嶼部では、高齢化率が40%を超える町村も多く、コミュニティの維持が困難な場合もみられる。さらに、昨今の市町村広域合併が積極的に進められ、行政の中心は合併した地域の中心に移転をしている現実がある。住民は、行政サービスを受けるため、これまでよりも長い時間をかけて出かけねばならない。一方、サービスをする側もより広い地域での社会福祉行政が求められる。
 こういった中、福祉は、医療から介護、在宅介護、高齢者や障害者も含めた地域住民のQOL(Quality of Life)向上へと変化している。
 福祉・保健・医療・行政・工学等の英知の結集が求められるところである。
 呉市は2001年、全国に先駆けて移動円滑化基本計画を策定し、高齢者や障害者が自立した社会生活を営むことができる環境整備に取り組んできた。さらに、2005年には呉市を中核として周辺6町との広域合併を行った。内5町が島嶼部である。この結果、都市部と周辺部の福祉の格差が懸念されるところである。
 元々呉市は、急傾斜地を開発してきた都市であるが、合併によりさらに急峻な地形である島嶼部も加わった。日本は島国であり、かつ山国であるにも係わらず、これまで海および斜面地の福祉のまちづくりについては十分議論されていない。
 呉大会では、QOL向上の視点に立った議論を期待している。また、急傾斜、島嶼部、海といった呉の特性からの議論もいただいて、全国からの参加者とともに、有益な情報発信に努めたい。
 呉市は瀬戸内海安芸灘の多島美の観光地を持っている。全国からの訪問者を歓迎します。

開催要領